2アロマを生活に取り入れる

【アロマを生活に取り入れる】

日々の暮らしに香りで彩りを

2  アロマを楽しむ効果が、心をリラックスさせるだけでなく、体の様々な症状の緩和や病気予防にも役立つことをご紹介しました。では今度は実際に、アロマを生活で活用する方法をご紹介しましょう。まず、お気に入りの精油を数本購入してみてください。 
 選択の基本は自分が「いい香り」と思うものが大前提です。そして、さらにこだわるのであれば、自分の症状に合った効果が得られる精油をプラスするといいでしょう。市販で売られている精油のなかには、植物100%でない合成で作られているものもあります。必ず天然100%のものを選ぶようにしてみてください。
 また、キャンドルタイプのものを利用している人も多いと思いますが、安全性や燃えるときに発生するロウの不純物の臭いを考えるとあまりおすすめではありません。室内で楽しむのならディフューザータイプのものをおすすめします。


初級編:垂らすだけ

 アロマ初級編として、「お好みの精油を垂らすだけ」でアロマが楽しめる方法をご紹介します。
《注意事項!》
 精油が直接皮膚につく方法(手浴・足浴、バスタイム)では、水面に浮いた精油(油玉)が皮膚についてピリピリすることもあるため、皮膚が弱い方はよくかき混ぜながら使用することをおすすめします。

■加湿器と一緒に
 最近では、アロマを楽しめる加湿器が多く販売されています。通常の加湿器の蒸気吹き出し口に小さなお皿があり、そこにアロマを垂らすタイプのものです。でも、一番おすすめは、ディフューザータイプ。家電量販店だけでなく、雑貨屋さんでも多く販売しており、インテリアとしてもオシャレなタイプが多数売られています。
 ディフューザーの使い方はいたって簡単。容器に水を入れ、精油を数滴垂らすだけ。水と精油を超音波による振動でミスト状にして部屋全体に拡散し、香りを長く楽しむことができます。また、同時に部屋が加湿されて一石二鳥です。好きな香りに殺菌効果のある精油をブレンドすると、風邪予防にもなります。

3■手浴・足浴
 お湯をはった洗面器にお好みの精油を3〜5滴垂らします。軽くかき混ぜて手や足を浸して15分ほど、手浴・足浴を楽しみましょう。体が温まると同時に、蒸気であがる精油の香りに癒されながら、皮膚からも精油の有効成分が入り込むことで、その精油がもつ効果を得ることができます。特に手浴では、血液循環がよくなり肩こりが緩和されることも。

【おすすめ精油】
夏であれば、爽やかなペパーミント、血液さらさらのレモン、クーラーや冷たい飲み物の摂りすぎなどで冷えた体を温めるジンジャーなど。
冬であれば、血行促進のブラックペッパー、むくみを排出するローズマリーなど。

■バスタイム
 お風呂の浴槽にお好みの精油を5〜6滴ほど垂らします。軽くかき混ぜてお風呂にゆっくりつかりましょう。手浴・足浴と同様の効果が得られます。ただし全身つかるので、皮膚が弱い人は、刺激の強い精油は避けておいた方がよいです。

【おすすめ精油】
リラックスしたいなら、ラベンダー、ゆず、オレンジ・スイート、カモミール、ジャスミンなど
シェイプアップしたいなら、サイプレス、ジュニパー、グレープフルーツなど

ハンカチやマスク アロマを最もお手軽に楽しむ方法がこちら。ハンカチやマスク、枕に1〜2数滴垂らして、香りを吸引する方法■ハンカチやマスク
 アロマを最もお手軽に楽しむ方法がこちら。ハンカチやマスク、枕に1〜2数滴垂らして、香りを吸引する方法です。香りをしたためたハンカチをバッグに入れておけば、芳香剤替わりにも。ハンカチや枕に直接垂らすのはちょっと…という方は、ティッシュに垂らしたものを利用するのもいいです。

【おすすめの精油】
花粉症対策なら、ティーツリー、ペパーミント、ユーカリ、サイプレスなど
芳香剤としてなら、ラベンダー、グレープフルーツ、カモミールなど

【おすすめの精油】花粉症対策なら、ティーツリー、ペパーミント、ユーカリ、サイプレスなど■お掃除に
 水やお湯をはったバケツに、精油を1〜2滴垂らし、雑巾を絞って床掃除をすれば、掃除をしながら爽やかな香りに包まれ癒されるはずです。また、重曹にお好み精油を1〜2滴垂らし、シンク周りの垢落としや油汚れ、生ごみにかけて消臭効果を狙うのもおすすめです。

【おすすめの精油】
ペパーミント、ティーツリー、レモン、オレンジ・スイートなど

中級編:アロマグッズを作ってみよう

 香りを楽しむことに慣れたら、今度は精油を使ったアロマグッズを作ってみましょう。生活をより香りで豊かにしてくれるアイテムです。

【アロマスプレー】

【アロマスプレー】中級編:アロマグッズを作ってみよう

(材料)
●スプレーボトル(30cc)…1本
●無水エタノール…8cc
●精製水・・・22cc
●お好みの精油…12滴

(作り方)
 スプレーボトルに無水エタノール、精製水、お好みの精油を全て入れて出来上がり。使用する時はよく振ってから使います。
(使用ポイント)
 ルームフレグランス替わりにカーテンやソファ、クッションにシュッとひと吹き、また、ハンカチやマスクに吹きかけて香りを楽しんだり、精油のブレンド内容によっては風邪予防にも。簡単に作れて、持ち歩き便利な香りのスプレーです。

 

【バスソルト】(1回分)

【バスソルト】(1回分)

(材料)
●天然塩…30g
●お好みの精油…5〜6滴
●もしあれば、ピンククレイなど天然の着色料…少々

(作り方)
 天然塩にお好みの精油を垂らして混ぜ合わせれば出来上がり。そのままだと塩のホワイトカラーなので、色をつけたい場合は、ピンク(イエロー、レッド、ブルーなど)クレイなどの天然の着色料を混ぜると、お湯にも色がつき、見た目もキレイなバスソルトに仕上がります。パックにも使われるクレイ=土なので、肌も滑らかになります。また、同時に少し蜂蜜を加えるのもおすすめです。
 また、ローズの精油を使った場合は、乾燥したローズをミックスするなど、香りに合わせたドライフラワーやハーブを混ぜると、プレゼントにも最適な仕上がりになります。

 

上級編:予防医療として取り入れる

 先にもご紹介した通り、アロマは香りでリラックスするだけでなく、体の不調や病気、体質改善にも効果的に役立てることができます。最近ではテレビ番組にて「アロマセラピーで認知症改善ができる」といった報道※もあったことから、予防医療としての観点からアロマの効果・効能に熱い視線が注がれ、医療現場や介護施設などでもアロマセラピーを積極的に取り入れるところが増えてきました。そこで今回は、自宅でできる予防医療としてのおすすめ精油ブレンドをご紹介します。

(アロマスプレーの材料)
●スプレーボトル(30cc)…1本
●無水エタノール…8cc
●精製水・・・22cc
●お好みの精油…12滴

※2014年2月、鳥取大学医学部の浦上克哉教授が「アロマセラピーで初期の認知症改善ができる」とテレビ番組のなかで発表した。交感神経を優位にする「朝の目覚めの香り」と中枢神経を鎮静し副交感神経を優位にする「安眠への香り」が初期の認知症に効果があるということで、精油が脳内の活性化に対する影響が注目を集めている。

■インフルエンザ予防

【使用する精油】

レモン4滴、ユーカリラジアタ4滴、ペパーミント2滴、ティーツリー2滴

■呼吸器改善(息苦しい、咳き込むなど)

【使用する精油】

ユーカリラジアタ6滴、ラバンジンスーパー2滴、スペアミント2滴、ローレル2滴

■認知症改善(※鳥取大学医学部浦上克哉教授のレシピより)

【使用する精油】

午前の香り(目覚め):ローズマリーシネオール8滴、レモン4滴
午後・就寝前の香り(安眠):ラベンダー8滴、オレンジスイート4滴

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今回お話を伺ったのは…
JAA認定トップインストラクターの田中京子先生。
JAA認定加盟校「レッツ・アロマセラピー」を主宰するほか、セミナーや講演会などでも活躍中。また厚生労働省認定鍼灸師でもあり、西洋補完医療のメディカルアロマ、東洋医学の鍼灸をミックスした新しい治療法を目指した完全予約制の鍼灸治療院「京香」を営んでいる。
【スクール&サロンのお問い合わせ】
E-mail:elfu-55kprecious@tune.ocn.ne.jp

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