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掲載:2017年2月15日

終活、何をすればいいの?①
〜終い支度ではない、元気が出る終活〜

 

終活の進め方 2終活の進め方

終活開始を宣言しよう

 このように、終活はまず自分、自分自身を振り返ることから始まり、新たな生き方を見つけ、結果として周囲の人との思いの共有へとつながってゆくものといえるでしょう()。

■終活の流れ

 とはいえ、なかなか始めにくいという方に対して、尾上さんは「始めると決めたら、できるだけみんなの前で『終活を始める』と宣言してしまいましょう」と勧めます。周りの人も、面倒な記憶の振返りや死に関わるデリケートな話を切り出される心構えができ、自然と活動しやすい環境が整っていきます。また、たくさんの人に知らせておくと、新しい夢の実現に行きづまったとき、協力者が見つかりやすくなります
 年齢を重ねると、知らず知らずのうちに交流の範囲を狭め、社会を小さくしてしまいがちです。終活を宣言して口に出し続け、楽しんでいる姿を見せることで、再び社会を広げていくことにもつながるといいます。
 ただ、気をつけたいのは、終活は原則として自分の意思で始め、自分のために行うものだということです。人(家族)のためとか、人にいわれたからとかいう意識ではなかなか続かないそうです。
 「特に、お子さんから終活を勧められ、『終い支度を迫られたように感じてショックを受けた』という方がたくさんいます。ご自分のことであれば、もし誰かに勧められてもあまり気にせず、まずはやりたいことを見つけて楽しみましょう。それはやがて自然と終活につながっていきます。
 一方、お子さんの立場であれば、むやみに求めてはいけません。親御さんが興味なさそうにしているのは、『終い支度』だと思っているからでしょう。少しずつ情報を提供し、もしやる気になったら興味を態度で示して、話を聞いてあげてください。聞き書きやファイリング、アルバム整理などをお手伝いするのも共有や共感につながりますし、その作業を通じて家族それぞれの人生の振返りにもつながってゆきます。
 興味はあってもきっかけがつかめないという方は、さまざまな企業や団体が開催している『終活フェア』などを見つけて出かけてみるのもよいと思います。幅広い分野から出展しているので、パソコン教室で学んでみようかと新しい趣味や目標ができたり、ネイルアートを施してもらって『美しくあり続けたい』という生きがいが見つかったり、また、旅行のパンフレットを通じて毎年のイベントを計画したりと、思いがけないところで、終わりだけを目指すのではない本当の終活のテーマが見つかるかもしれません。」(尾上さん)

エンディングノートを最大限に活用

 「エンディングノート」とは、ひと昔前は、「終い支度」を主な目的として葬儀の希望を書き記すといったような性格のものでした。最近はさまざまなタイプのものが市販されていますが、記入すべき項目はおおむね自分史、家系、医療、介護、財産、葬儀、供養、メッセージの8項目です。ノートは終活のどの段階でも役に立つものですが、時間をかけて家族と話し合うためのツールとして、「周囲の人との思いの共有」に繰り返し使うことがもっとも有効な活用方法だといいます。

■尾上流・エンディングノート活用術

  • 自分に合う、話がはずむ項目が多く掲載されているノートを選ぶ。
  • 購入してすぐ書き込まずに、全部の項目に目を通す。
  • 気になった項目について(例:延命治療、供養の方法など)、身近な人に考えを伝え、話し合う。
  • 一通り話し合いができたら、書き込みたいところは記入する。
  • どこかに隠しておかずに、いつも手に取れるところに置き、折に触れて開く。
  • 書いて終わりと思わずに繰り返し考えて話し合い、気持ちが変わったら書き直す。
  • メッセージはいちばん最後に書く。

 1ページ目からきちんと書いていこうとすると、死の準備のようでつらくなる方も多いそうです。書くのはあくまで話し合いをした後。普段から話をして想いを共有できていれば家族を困らせることもありませんから、必ずしもしっかり書き込まなくてもよいのです。
 遺言書を開いたとき、仮にその内容が意に沿わないものだったとしても、話し合ってきた内容の延長にある結論であれば、「こんなことをいっていたもんね」と、受け入れることもできるでしょう。逆に、あえて話していない項目があれば「この項目だけは話せなかったんだな」というふうに察してもらえるでしょう。「エンディングノートは、上手に活用すれば最強のコミュニケーションツールになり、本人だけでなく、残された大切な人を助けてくれるものです。」(尾上さん)

テーマが見つかったら専門家に相談

 終活を進めるうちに、残りの人生を満足に生き切るために自分らしい葬儀を考えるとか、資産をきちんと処理しておくといったテーマを自然に持つようになるでしょう。その時が来たら、各分野の専門家に相談することが大切です
 たとえば、「こんな葬儀が自分らしい」と考えても、実際には実現が困難な夢であれば、その遺志を引き継いだ家族を困らせることになってしまいます。葬儀のプロに前もって話を聞き、それが実現可能なのかどうか、また予算の面に至るまで話を詰めておくのがいいでしょう。
 遺産の管理についても、法律が関わるため専門家への相談が必要です。ただし、終活のゴールが遺言書というわけでありません。「お金のことは大切だから」と何より先に書類の作成をあおり、それだけで安心させる終活ビジネスには注意してください。
 そのほか、以下のような事柄についても家族に負担を残さないようにしっかり話し合い、必要に応じて専門家の意見を聞いておきましょう。

●医療

 既往症がある場合は、今後起こり得ることについて医師に相談。延命治療などについてどう考えるのか。声が出せない・意思が伝えられない状態に陥る場合や、発症してからは遠慮していえない場合も出てくるので、前もって希望を伝えておくことが大切。

●介護

 介護が必要になった場合に誰に頼みたいか、どこで過ごしたいのか、介護費用の準備についてなど、必要があれば近くの地域包括支援センターなどに相談する。さらに、「要介護や認知症にならない」という決意を強くして生活改善を目指すようになれば、終活もまさに「活き活き」につながります。

●供養

 埋葬か、散骨かなど、遺骨の供養はどうするのか。代々のお墓があれば、その継承は次の代にも関わってくる大きな問題。さまざまな供養の形をリサーチし、次世代を交えて話し合っておく。

■遺言書とエンディングノートの違い

 遺言書の内容は法的に守られるものですが、エンディングノートはそうとは限りません。また、遺言書はお金がかかることもあり、気軽に書き直せるものではありませんが、エンディングノートはいつでも書き直せます。さらに、遺言書は葬儀の後に開かれることが多いので、葬儀の希望を書いておいても実現されない恐れがあります。葬儀についての希望は、遺言書に書くよりエンディングノートに残すほうがいいわけです。
 普段からコミュニケーションがとれていれば心配はありませんが、遺言書とエンディングノートは性格が違うものと覚えておきましょう。エンディングノートを用いた「終活コミュニケーション」に活かしたいものです。

最後のメッセージは文字で残す

 話し言葉はとても温かいけれど、音はやがて消えてしまいます。文字は冷たいけれど残るので、両者をバランスよく使うのが理想です。遺志は必ずしも文字にしないことがあっても、「大切な人へのメッセージは形にして残すとよい」というのが尾上さんのアドバイスです。「認知症で何もわからないと思っていたお父さんから『ありがとう』という一言だけのメモをもらった。それが今でも忘れられない宝物です」という話が印象に残っていると尾上さんはいいます。
 「形はメモでも何でも構いませんから、ぜひとも自分の文字で残してほしい。常々口にしていた温かい言葉が文字で残っていたというふうに、両者がうまく結びつけばさらに強いメッセージになって残された人たちを幸せにします。命は残される人たちにリレーしていくもの。自分の番になったら上手にバトンを渡してあげたいものです。受け取った人の力になるピカピカなバトンが渡せるように、元気なうちから終活を始めてください。」(尾上さん)

■尾上さんおすすめ、理解が深まる"終活映画"②

『マイ・インターン』(監督/ナンシー・マイヤーズ)

【ストーリー】華やかなファッション業界で成功し、結婚してプライベートも充実、現代女性の理想の人生を送るジュールズ(アン・ハサウェイ)。そんな彼女の部下に雇われたシニア・インターンは、40歳も年上のベン(ロバート・デ・ニーロ)だった。

【尾上さんコメント】高齢期に、生き生きと生きてゆくためにはどうすればいいか。それは、それまでの人生をどう過ごしてきたかにかかっているのです。そして、自分自身を大切にしていること、自分から一歩踏み出すことで、共感は世代を超えてつくられるものだということがわかります。「人生を楽しんでいると自然に人とつながることができる」という可能性を感じられます。

ブルーレイ ¥2,381+税/DVD ¥1,429 +税
ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

 終活は、人生を最後までエンジョイするための活動。「終い支度」は、あくまでもそれに従ってついてくるものです。まずは、あらためて人生の振り返ることから始めてみてはいかがでしょうか。

■尾上正幸さんの著書

『本当に役立つ「終活」50問50答』

「終活ブームだけど、自分は何をしたらいいの?」「いきなりエンディングノートを書けと言われても…」「終活って終い支度でしょ?」「自分らしく、家族に迷惑をかけないにはどうしたらいいの?」そんな、今さら聞けない疑問に葬儀のプロがズバリ答えます!(翔泳社・税別1,380円)

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