2障害年金が優先的に支給される

差額がある場合は差額分の傷病手当金が支給される

 傷病手当金と障害年金を同時に受給できるようになったとき、原因となった病気やケガが同一のものである場合は、同時に両方を全額受給することはできずに併給調整がなされます。

 具体的には、傷病手当金の日額と障害年金の日額換算額を比較して(前項参照)、障害年金の日額換算額のほうが多い場合は、傷病手当金は支給されなくなり、障害年金の日額換算額のほうが少ない場合は、その差額が傷病手当金として支給されます。

 事例で見てみましょう。

【事例1】障害年金の日額換算額が傷病手当金の日額より多いケース

Aさん
直近1年間の標準報酬月額の平均が18万円
障害年金(障害厚生年金)の年額が180万円
●傷病手当金の日額  :4,000円(18万円÷30×2/3)
●障害年金の日額換算額:5,000円(180万円÷360)
【事例1】障害年金の日額換算額が傷病手当金の日額より多いケース

【事例2】障害年金の日額換算額が傷病手当金の日額より少ないケース

Bさん
直近1年間の標準報酬月額の平均が27万円
障害年金(障害厚生年金)の年額が180万円
●傷病手当金の日額  :6,000円(27万円÷30×2/3)
●障害年金の日額換算額:5,000円(180万円÷360)
【事例2】障害年金の日額換算額が傷病手当金の日額より少ないケース

 なお、障害年金の支給開始後も併給調整がなされずに受給した傷病手当金がある場合、重複した傷病手当金は返還することを求められますので、傷病手当金を受給中に障害年金を受けられるようになった時には、健康保険の保険者に確認の連絡をすることをお勧めします。

point

●傷病手当金と障害年金を同時に受給できるようになったとき、原因となった病気やケガが同一のものである場合は、同時に両方を全額受給することはできずに併給調整がなされる

●傷病手当金の日額と障害年金の日額換算額を比較し、障害年金の日額換算額のほうが多い場合は、傷病手当金は支給されなくなり、障害年金の日額換算額のほうが少ない場合は、その差額が傷病手当金として支給される

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