1高齢者にはまだまだ浸透しづらい?

スマホは働く男女に人気!

 電車のなかで、歩きながら、どこかしこで使用するシーンを目にするようになった「スマートフォン」(以下、スマホ)。パカパカと折りたたみの携帯をガラケーという一方で、PCと同じレベルの端末が内蔵されたスマホは、画面上にあるアイコンを指で操作するのが特徴です。

 株式会社D2Cの調査によると、スマホの普及率は年々増加傾向にあります(図1)。2012年11月の調査では4割近くの人がスマホを所持していることがわかっています。ユーザの年代別構成を見ると、数字は男女とも20歳代と30歳代が高く40歳代から下がり始めます(図2)。男性の40歳代の比率が比較的高いのは会社員が多く利用していることによると思われます(図3)。全体的にみると40歳代以上は、思ったほど普及していないようです。特に60歳以上比率は1ケタとなっています。

※ガラケー:ガラパゴス携帯電話の略。世界標準をもつスマートフォンに対して、日本独自に進化した従来型のいわゆる「携帯電話」を、他の世界と交流をもたない(共通性をもたない)ガラパゴス諸島に例えてこのように呼んでいます。

図1 従来型携帯電話とスマートフォンのユーザ数の推移

図1 従来型携帯電話とスマートフォンのユーザ数の推移

<株式会社D2C「モバイル利用動向調査(2012年11月調査)より>

図2 スマートフォンユーザの年代別構成(%)

図2

<株式会社D2C「モバイル利用動向調査(2012年11月調査)より>

図3 スマートフォンユーザの職業別構成(%)

図3

<株式会社D2C「モバイル利用動向調査(2012年11月調査)より>

中高齢者には扱いづらい?

ユーザ比率を参考に、各年代のスマホ使用事情について考えてみました。

【15〜19歳】

 親の監視下にある中高学生がメインの所有者であると考えると、普及率の低さも納得です。スマホの毎月の基本使用料が高い点、また近年、親の知らぬ間に子どもがスマホ使用による金銭トラブルを抱えるケースが多発している点などからも、親世代が子どもにスマホを持たせるのを懸念しての、この数値と捉えることができるかと思います。

【20〜39歳】

 なかでもサラリーマン、OLなど働く世代に一番普及していると考えられます。いまでは、スマホ所持を企業あげて推進するところもあるほどです。ビジネスマンのマストアイテム、というイメージも強いですね。会社外でオフィスメールのチェックやデータのやり取り、アプリでのスケジュール管理、営業先の地図や情報をすぐに検索できるなど、スマホがビジネスツールとして欠かせない点が高い評価を受け、この普及率につながっているように思います。また、働く人だけでなく、主婦にも人気のスマホ。フェイスブックやライン(無料通話・メール機能)など子どもの世話をしながらでも簡単に外部とコミュニケーションできたり、情報を入手できる点も受けているようです。

【40〜69歳】

 中高齢者であるこの世代での普及率が低い理由に、「操作しづらい」「画面が小さくて見づらい」「メールと電話があれば十分」などが挙げられるようです。従来の電話型であるガラケーから、スマホは操作も扱い方も特殊。実際に使った人から「慣れるまで大変だった!」などの意見も多く聞かれることから「何だか難しそう」「スマホってよくわからない…」といった先入観が普及率の低さにつながっているのかもしれません。

 

 今後、若い世代をターゲットにますます普及するであろうスマホ。では中高齢者にとってはどうなのでしょうか?「扱いづらい」といったイメージが先行したまま、手にとらずして普及率は伸びないままなのでしょうか?
 数年後には、「各携帯会社、ガラケーの販売を中止する」といったウワサがあるなかで、社会全体でスマホへの移行を促す動きへ加速していくのは必至といえます。そんななか、いま中高齢者に向けたスマホ事情も少しずつ変化をみせているようです。今回は中高齢者の方にとって、気にはなる「スマホ」にまつわるあれこれを事例とともにお話したいと思います。

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