︱2016.1.15 1月号 (通巻679号) Vol.34

被用者年金一元化をめぐって

昨年は、公的年金制度の歴史上、大きな節目になる年であった。一つは、マクロ経済スライドの施行により、年金制度の持続可能性の確保に向けた平成16年改正のフレームが動きだしたこと。もう一つは、昨年10月の被用者年金一元化法の施行により、昭和59年の閣議決定による公的年金制度の一元化が実現したことである。
被用者年金一元化については、これが公的年金制度改革の「最終的な到達点」なのか、それとも長い道程の「一里塚」にすぎないのか、いろいろな見方があろう。たとえば、民主党が提案しているような、税財源による最低保障年金とセットにした単一の所得比例年金への一元化のような姿を最終到達点だと考える人には、一里塚にすぎないのかも知れない。が、ここに至る長い過程を見聞してきた私には、相当に完成度の高い到達点であるように思える。
この間の経緯を振り返りつつ、雑感を記しておきたい。
到達目標は「21世紀初頭の間」
平成13年の閣議決定は、農林共済を厚生年金に統合し、国家公務員共済と地方公務員共済の財政単位の一元化を行った上で、「被用者年金制度の統一的な枠組みの形成を図るために、厚生年金保険等との財政単位の一元化を含め、更なる財政単位の拡大と費用負担の平準化を図るための方策について、被用者年金制度が成熟していく21世紀初頭の間に結論が得られるように検討を急ぐ。」という方針を掲げた。
この閣議決定に先立って検討の場になった公的年金制度の一元化に関する懇談会には、筆者も委員として参加したが、「21世紀初頭の間」の解釈は、21世紀半ばでは遅すぎる、せめて4半世紀内には、という程度のあいまいなものであったように思う。実際に農林共済を厚生年金に統合した後に財政不安が残るとすれば、当面、国家公務員共済に限られるとみられていたが、それも地方公務員共済との財政単位の統合によって解消されるとすれば、国鉄共済や農林共済のような財政問題をきっかけにして、さらなる制度間調整を進めるという事態は近い将来においては想定し難いことであった。

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