掲載:2016年12月15日
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平成28年度「わたしと年金」の受賞者決定

 日本年金機構と厚生労働省は協力して「ねんきん月間」(11月)、「年金の日」(11月30日)における公的年金制度の普及・啓発活動を行ったが、その一環として募集した公的年金をテーマにしたエッセイ「わたしと年金」の受賞者を決定し、11月30日に発表した。受賞者は以下のとおり。

「わたしと年金」受章者

【厚生労働大臣賞】
・上村ノブエ(東京都・70歳代)

【日本年金機構理事長賞】
・寺垣佳南里(岐阜県・高校生)

【優秀賞】
・岩本梨沙(大分県・20歳代)
・高橋麻子(神奈川県・30歳代)
・松本由美子(山形県・50歳代)

【入選】
・郭原亮吾(大阪府・30歳代)
・長畑美紅(岐阜県・高校生)
・藤田拓也(富山県・大学生)
・正木健太(徳島県・高校生)
・山塙智彦(福井県・50歳代)

※敬称略、各賞五十音順。

【厚生労働大臣賞】 上村ノブエ(東京都・70歳代女性) ※敬称略

私は平成二十八年六月喜寿を迎えました。
その間何度も大病を経験し、社会保険の有難さ大切さを痛感して参りました。
当時小さな会社の経営をはじめた私達は、税理士から労務協会を紹介され社会保険に加入しました。それまで個人で国民健康保険や、国民年金に加入していましたが厚生年金や健康保険料は料金が高いと感じました。
それに本人からの控除分と同額を会社が負担するため会社としても大きな出費でした。社員も給料から引かれる金額が大きく、手取りが少なくなり将来のためとか義務であることを説明してもなかなか同意してくれません。
妻帯者は早く加入してくれるのですが、独身者は金銭的な事情を抱えている人が多く、簡単にはいきません。当時は同業者でもある程度、力のある会社しか加入しているところが少なかったらしく、無理に勧めると退社して未加入の会社に移られるような状況でした。
未加入の会社は会社負担がない分給料も多く払えるのでそれも魅力の一つだったのでしょう。いろいろな事情を考えると義務とはいえ、無理に勧めることを諦めざるを得ませんでした。
そんな時年金事務所の呼出し監査があり、未加入者のいろいろな事情があることを説明したところ、「そういう人こそ将来を考えて加入しなければいけない」といろいろ細かく説明して下さいました。会社に戻り改めて説得したところやっと納得してすぐ加入してくれた人が大半で、次に一人、また一人という感じで退職者は一人もいませんでした。もちろん会社としても大変でした。ある程度生活が成り立つまでいろいろ援助もしました。
時を経て定年を迎えて故郷に戻った社員から嬉しい話を聞かされました。
社員募集の広告を見て近くのA社に応募するつもりが、間違えて当社に面接に来たそうです。
採用が決まり長い間働かせてもらったけどA社に入社していれば社会保険は未加入で、今、年金をもらいながら生活できるのはそちらの会社のおかげで本当に有難いとお礼を言って下さいました。それを聞いてあの頃の苦労が報われたような気がして嬉しさでいっぱいになりました。
それと同時に、あの呼出し監査がなかったらはたして未加入者を説得できただろうかという思いに至り年金事務所の誠実な説明と制度の有難さを遅ればせながら強く実感しました。
二十数年前、私の長男は幼い子供三人を残し、三十三才の若さで急逝しました。その時一定の条件はあるものの子供一人一人が十八才になるまで手厚く遺族年金が支給され、妻にも支給されました。子供が十八才を過ぎると妻だけに支給されます。残された家族が安心して生活できるように年金は考えられているのです。現在私も年金を受給しております。若い頃は年をとればお金はそんなに必要でないと思いがちです。
年を重ねれば交際範囲も自然に広がり、思いがけない出費も多く老化と同時に医療費もかさんできます。
そんな時定期的に振込まれる年金は、金銭的にも精神的にも大きな支えになっているのです。

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