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平成26年度の国民年金保険料納付状況と今後の取り組み

 厚生労働省は平成27年6月26日、「国民年金保険料の納付状況と今後の取組等」をとりまとめ公表した。
 平成26年度分の現年度納付率は63.1%で、前年度比プラス2.2ポイントとなった(表1、図1・2)。年金事務所別にみると、311/312事務所とほとんどの年金事務所で前年度より上昇している。都道府県別にみると、全ての都道府県で前年度より上昇している。上昇したのは、特別催告状による納付督励の対象者の拡大、年金事務所と市場化テスト受託事業者との協力・連携による納付督励の強化などが要因と考えられる。

■表1 国民年金保険料の納付状況

表1 国民年金保険料の納付状況
( )内は前年度からの伸び。
平成26年度分保険料は、納付対象月数13,651万月(対前年度比△5.7%)、納付月数8,607万月(対前年度比△2.4%)。

■図1 国民年金保険料の納付率等の推移

国民年金保険料の納付率等の推移

※保険料は過去2年分の納付が可能であり、最終納付率とは、過年度に納付されたものを加えた納付率。


 また、平成27年度の主な取り組みとして、下記の項目を挙げた。

未納者の属性に応じた収納対策の徹底・強化を図る。
(被保険者の所得や納付状況などの実情を踏まえたうえで、納付督励、免除等勧奨、強制徴収を実施。また、若年層の納付督励を強化)
日本年金機構全体、ブロック本部及び年金事務所において行動計画を策定し、推進する役割と体制を明確にする。
市場化テスト受託事業者との協力・連携体制を強化する。
強制徴収に実施の際には最終催告状を確実に送付し、それでも自主的に納付しない人は滞納処分する。
(控除後所得400万円以上かつ未納月数7月以上の滞納者には督促を実施)
悪質な滞納者については厚生労働省から国税庁への強制徴収委任制度を推進する。
*未納者の属性: ①第1号被保険者〔②未納者 ③全額免除者等 ④保険料納付者(⑤口座振替納付者 ⑥クレジットカード納付者 ⑦納付書納付者等)〕 ⑧未加入者

■図2 被保険者属性ごとの取組について

被保険者属性ごとの取組について

平成26年度は20歳代の納付率に伸び

■図3 年齢階級別納付率

年齢階級別納付率

 平成26年度の納付率は、すべての年齢階級において前年度を上回っているが、特に20歳代が大きく伸びている(図3)。
 なお、一般的に納付率に影響を与える要因は次のように考えられている。

第1号被保険者の就業状況
第1号被保険者の属する世帯及び第1号被保険者本人の所得水準
年金制度及び行政組織に対する不信感・不安感

 特に若年世代に多いと言われる③については、大学構内における相談会・周知・広報活動などを強化している。

市場化テスト事業

 国民年金保険料未納者に対して、平成18年から市場化テスト受託事業者による電話、文書、個別訪問等による納付督励や保険料収納業務等を実施してきた。具体的には、年金事務所が実施する納付書等の送付時期及び送付対象者の情報を早期に市場化テスト受託事業者に提供し、年金事務所と市場化テスト受託事業者との協力・連携を図っている。
 平成26年度には、116年金事務所において平成24年10月開始事業の契約更改を実施し、納付督励体制の強化、訪問現場における育成指導の強化、事故の未然防止及び早期実施などを図った。



【平成27年5月開始事業における実施要綱の主な改善点】

納付率の改善が急務である都市圏においては、納付督励、免除等勧奨を強化。現年度納付率が全国平均以下かつ滞納者が30万人以上の都府県を対象に、個別訪問員を滞納者1.0万人に対して1人の割合で配置する(他は1.5万人に1人)。
接触率が良好な平日の夜間帯、土・日・祝日における督励を必須とする。
個別訪問員の育成・指導を担当する訪問リーダーの配置を必須とする。
事故防止と業務品質の管理・向上を担当する品質管理責任者の配置を必須とする。
受託事業との連携を強化し効果的な督励を行うため、年金事務所ごとの打合せを可能な限り行う。
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