3介護費用は居宅でも10年間かかれば140万円

長期間の介護は費用が膨大に

 20歳以上の約7割の人が自分が老後に寝たきりや認知症などの要介護者になるかもしれないと不安に思い、8割近くの人が家族が要介護者になることへの不安を抱いているそうです(内閣府「介護保険制度に関する世論調査」(平成22年度))。
 前出の図2にもあるように、60歳代後半ではわずか2.8%ですが、年齢が5歳上がるごとに認定者数は倍増し、85歳以上では約6割が要支援・要介護状態にあります。75歳を過ぎれば7人に1人、80歳を過ぎれば3人に1人は介護を必要とする可能性があります。
 また、要支援・要介護の状態は期間が長くなる傾向にあり、約4人に1人は5年以上との調査結果があります(図6)。介護を必要とする期間が長くなれば、それだけ費用もかさむことになります。

図6 要支援・要介護期間(65歳以上の人)

図6

<厚生労働省「国民生活基礎調査」(平成22年)より>

公的介護保険を使用した場合の自己負担額

<厚生労働省「介護給付生労働費実態調査」(平成25年4月)より>

紙オムツ代

住宅改修費の支給は1軒20万円まで

 足腰が弱り、介護が必要な状態となっても、残された運動機能をできるだけ維持・向上させながら、住み慣れた自宅でより安全かつ快適に暮らせるよう、住宅の改修を支援する介護保険サービスもあります。
 廊下や浴室、トイレに手すりをつけたり、段差をなくして車椅子対応にするなど、改修の種類や程度に応じて費用もさまざまです。公的介護保険では住宅改修費として1軒につき20万円まで支給しますが、それ以上かかった分はすべて自己負担となります。元気な頃には思いもかけない出費となるかもしれません。

図6

家計のためにも予防が大事

 「病気に苦しむこともなく、元気に長生きして、コロリと逝く」—理想的な人生を例えてよく"ピンピンコロリ"などといったりしますが、あなたにはその自信がありますか?
 せめて生活習慣に起因する病気や要介護にならないよう、バランスのよい食事や禁煙、運動を心がけましょう。それでも、もしも病気や要介護になったときを想定して経済的な準備を行っておく。それが現役時代からできる、病気や要介護のリスクに対する健康対策と経済的な備えです。

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