10月1日の一元化の施行日まで、あと2か月あまりとなりました。
市議会議員であった人が議員年金を受給しながら、会社の役員(厚生年金保険の被保険者となる)をしていると、一元化後は議員年金は支給停止になるのでしょうか? また、厚生年金を受給している人が、市議会議員であると、一元化後は、受給している厚生年金に、何か影響が出てくるのでしょうか?
共済年金を受給している人が、市議会議員の場合はどうでしょうか?
今月はそんな事例を取り上げながら、相談形式で年金相談の現場で役立つ情報を提供していきます。
議員在職中、厚生年金や共済年金を受給していると厚生年金や共済年金の支給停止はどうなりますか?
〜一元化後、議員在職中の、厚生年金・共済年金の支給停止はどう変わるのか〜
共済年金を受給している人が、市議会議員になっている場合
共済年金を受給している人が、市議会議員になっている場合、一元化前は年齢にかかわらず、支給停止は高在老(支給停止ライン47万円)が適用されています。
一元化後は65歳前は低在老(支給停止ライン28万円)、65歳以後は高在老が適用になります。
一元化前より、共済年金を受給しており、かつ、一元化の日をまたいで議員に在職しているなど、一定の要件を満たしている場合は、激変緩和措置が適用になります。
厚生年金を受給している人が、市議会議員になっている場合
厚生年金を受給している人が、市議会議員になっている場合、一元化前は支給停止の対象となっていませんでしたが、一元化後は支給停止の対象となります。65歳前は低在老、65歳以後は高在老が適用になります。
なお、一定の要件を満たしている場合、激変緩和措置が適用になるのは、前述した共済年金の受給者と同様です。
市議会議員の議員年金を受給している人が、県議会議員になっている場合
この事例は、そもそも一元化とは関係ありません。
議員年金が被用者年金制度の対象となっていないことは、すでに述べたとおりです。
さて、市議会議員の議員年金を受給している人が、県議会議員になっている場合、同じ区分の地方議会議員ではないので、支給停止にはなりません。ただし、前年の課税総所得金額で、一部または全額が支給停止になる場合があります。
なお、市議会議員の議員年金を受給している人が、市議会議員になる(復帰する)と、議員年金は、全額支給停止となります。
【参考】
一元化後の在職年金の支給停止や激変緩和措置の詳細については、拙著『年金一元化で厚生年金と共済年金はどうなる?』(発行:NPO法人 年金・福祉推進協議会)をご覧ください。
▶http://www.nen-yu.co.jp/new_book/index.html#nb201205