︱2018.2.15 2月号 (通巻704号) Vol.59

兵庫県神戸市 保健福祉局高齢福祉部国保年金医療課国民年金係
説明責任が求められる
相談業務(協力連携事務)に市町村は負担増
国と市町村との協力連携を確立した取組体制の構築を

神戸市役所。24階には展望ロビーがある。
「相談」は市町村の国民年金事務から切り離せない業務
――平成25年度の実態調査結果をみると、協力・連携事務の事務量の7割は、市町村が役割分担された事務ではない、「法定受託事務に関わらない相談(制度周知等)」となっていますが、この実態をどうみていますか。
年金相談は、法定受託事務であるかないかに関わらず、市町村から切り離せない事務だと思います。たとえば、国民年金の加入手続に来られた住民に対して、つまりこれは適用関係における「1号の届書の受理」で法定受託事務なのですが、市町村窓口では届書を受理して、「はい、ご苦労様でした。お気を付けてお帰りください」、とだけ言うわけにはいきません。当然、保険料の納付書がいつ届くとか、保険料には前納制度があるとか、口座振替のほうがお得で便利であるとか、保険料の徴収関係は市町村の法定受託事務ではありませんが、保険料納付に結びつけるためのアドバイスは、加入の段階で説明すべき内容のものなのです。市町村の窓口では、国民年金制度としての説明や相談を「これは法定受託事務だから説明する」、「これは法定受託事務ではないから説明しない」という対応はしていません。実際に、平成14年のときに、地方分権推進委員会と当時の社会保険庁が国民年金事務に関する役割分担を見直すときも、相談事務が一番のネックとなった部分であり、はっきりと線引きすることができない業務だったわけです。
――国は実態調査の結果を踏まえて、協力連携単価を見直して、収納率向上に有効な口座振替の新規獲得や申請免除の案内については、インセンティブを考慮した単価設定をしています。収納率の向上ということを、市町村の協力連携事務に期待しているということでしょうか。

「どこの市町村においても相談や納付督励などの協力・連携事務は実施されていますが、そもそも同じ目的で、国(機構)との協力連携関係が構築されているわけではありません。たとえば免除申請の案内でも、国(機構)はその目的を納付率の向上においていますが、市町村は住民の年金権の確保を第一に考え、免除申請の案内や免除制度を説明しています。国(機構)にとっては、申請書を受理することで、即、納付率に結びつく「全額免除」や「納付猶予」の該当者と、多くが結果的に未納者となってしまっている「一部免除者」への対応が異なるのかもしれませんが、市町村にとっては、該当する免除の種類が違うだけで、納付困難という同じ理由で相談に訪れた住民なのですから対応は同じです。その人に合った免除制度の説明を丁寧にする。それが、私たちの役割であり、市町村の協力・連携事務を実施する目的だと思っています。一部免除該当者には、納めるべき分の保険料納付を促す説明を重視しています。払ってもらうことで、少しでも多くの年金を受け取ってもらいたいからです。ですから、免除されなかった分の保険料を納付しないと保険料を全額納付しなかったことと同じ扱いになってしまう、つまり未納になってしまうということを特に強調して伝え、「一部免除の制度」というものを理解したうえで申請をしていただくようにしています。一部免除制度における保険料納付率が、ほかの政令市よりも10ポイント程度高くなっているのは、そうした神戸市の各区役所窓口での丁寧な相談対応のおかげなのだと思っています。

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