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掲載:2020年7月15日

“目で見る”年金講座【第19回】
在職老齢年金は年金改正でどう変わる?

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65歳以上の在職者の年金額を毎年改定することに265歳以上の在職者の年金額を毎年改定することに

働いた分が翌年の年金額に反映されることで働きがいにつながる

 在職老齢年金についてのもう一つの見直しは、「65歳以上の在職中の老齢厚生年金受給者の年金額の毎年改定の導入」です。
 65歳以上で働きながら(厚生年金保険に加入しながら)老齢厚生年金を受給している人について、働いている間に支払った保険料が年金額に反映されるのは、これまでは被保険者資格を喪失したとき(退職時または70歳到達時)のみでした。今回の改正により、2022年4月から、在職中から年金額の改定を定時に行い、年金額を毎年増額させる仕組み(在職時改定)が導入されることになりました。

 たとえば、今年70歳になったBさん。65歳以降、月給20万円(賞与なし)で働いてきました。65歳から年額120万円(年金月額10万円)の老齢厚生年金を受給してきました(月収と年金月額の合計額が30万円で、支給停止の基準額47万円を下回っていますので、年金が減額されずに全額支給されています)。在職中の5年間は年金額が改定されず、70歳になったところで初めて改定され、6万5千円ほど増えました。
 今年63歳のCさん。Bさんとまったく同じ条件だった場合、65歳になった2022年からは在職中でも年金額が毎年改定されることになりますので、66歳から毎年1万3千円ほど年金額が増えていくことになります。つまり、Bさんより計13万円多く受け取れることになります。

【図表4】在職時改定のイメージ

 この改正は、高齢期の就労が拡大する中、就労を継続したことの効果を、退職を待たずに早期に年金額に反映することで、年金を受給しながら働く在職受給権者の経済基盤の充実を図ることを目的としたものです。働いた分(保険料を払った分)が翌年の年金額に反映されることで、少なからず働きがいにつながる見直しであると言えるでしょう。

point

1.65歳以上の在職中の老齢厚生年金受給者の年金額の改定を、在職中であっても毎年1回行う在職時改定が導入されることになった(2022年4月施行)

2.この見直しにより、60歳台後半の在職者の年金支給額が増えることになる

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