『2024年度の年金額改定』について学ぶ

第3回目の「在職老齢年金」をもっと学ぶでは、「在職老齢年金」の年金額をご自身で試算できる『年住協 カンタン【在職老齢年金】シミュレーション』をご用意しました。

高齢でも働くことが当たり前になりつつある時代です。
身体が元気であるならば、仕事をリタイアした後も働きたいと考える方も多いことでしょう。
そんな時、「在職老齢年金」によって年金が減らされるのではないかと不安を抱く方もいらっしゃると思います。

「働いたら、年金はいくらになるのだろう?」
そう思われる方は、ぜひ、本シミュレーションをご活用ください。
今回のシミュレーションがお金の「老後不安」の解消に少しでもお役に立てれば幸いです。

年住協カンタン『在職老齢年金』シミュレーション

シミュレーションでは、まずは、ご自身の老齢年金の金額を把握しなければなりません。
下記手順に沿って、ご準備ください。

■■ご利用前に■■

老齢年金を
これから受け取る方
老齢年金を
既に受け取っている方
お手元にご準備いただく書類等

「ねんきん定期便」または
「ねんきんネット」

「年金証書」

[協会からのお知らせ]
「年住協カンタン[年金額]シミュレーション」のご案内
協会では、ご自身の年金額をカンタンに試算できるシミュレーションを用意しています。この機会に是非ご利用ください。
コチラをクリック

[ご注意]
毎年6月に日本年金機構より郵送される「年金振込通知書」は、「老齢厚生年金」と「老齢基礎年金」の内訳が表示されていません。
お手元に「年金証書」が見当たらない場合は、最寄りの年金事務所へ再発行の申請をしましょう。

確認の手順

①年金額を確認する
「老齢厚生年金」と「老齢基礎年金」ごとに年金額を確認します。

  • 老齢厚生年金は「報酬比例部分」と記載されています。
  • 「経過的加算部分」や「加給年金」は除いてください。
  • 退職共済年金は老齢厚生年金に加算してください。(2015年に厚生年金と統合)

②年金額を12で割る

  • 年金の金額は年額(1年)で表記されています。シミュレーションでは、月額になりますので、年金額を12(1年=12ヶ月)で割ってください。

これで、準備はOKです。
早速、シミュレーションを使ってみましょう。

※ご自身のデータを に入力(月額・万円単位)してください。

●老齢年金
老齢厚生年金(月額)

※「特別支給の老齢厚生年金」は報酬比例部分の年金額を入力してください。

老齢基礎年金(月額)
●給与等
月 収(1ヶ月の給料)

※「通勤手当」や「残業代」も含みます。

ボーナス(過去1年間分

※名目を問わず、一時金(手当)も含みます。

※上記、入力後、押してください。

●「在職老齢年金」計算後の月収(年金額は目安)
老齢厚生年金
(2階部分)
老齢基礎年金
(1階部分)
給与(月収分のみ)
合  計

【ご参考】

「在職老齢年金」の支給停止額(月額)

「注意事項」

  • ボーナスが支給されている場合は、その額を12で割った金額が上記の計算に反映されています。
    そのため、ボーナス支給時に減額される年金額はありません。

  • 『年住協 カンタン【在職老齢年金】シミュレーション』の年金額は、様々な資料(2024年6月時点)をもとに推考したもので、あくまでも目安の金額になります。
    正確な年金額を知りたい場合には、最寄りの年金事務所または街角の年金相談センターへご相談ください。

    ※日本年金機構:全国の相談・手続き窓口
    https://www.nenkin.go.jp/section/soudan/index.html

これからの「在職老齢年金」は?

いかがでしょうか。
第1回目でもお話ししましたが、「在職老齢年金」の「上限額」が2024(令和6)年度は50万円に上がっていますので、会社役員並みの給与を受け取っている方以外は、年金額が停止されてしまうことはないかと思います。

ただ、第2回目でもお話ししたとおり、年金の制度は時代とともに変わってゆきます。
「少子化」や「高齢者人口の増加」によってバランスが崩れたり、「経済成長率」が鈍化したりすると年金はダイレクトに影響を受けます。

それは、現役世代が負担している保険料と税金、それに保険料を集めた積立金の運用益によって、年金が支払われているからです。この仕組みを「世代間扶養(「賦課方式」とも言います)」といいます。

歳を重ねて働けなくなってしまった時、働いている方が納めた保険料を「年金」として受け取る。これは「年金は若い世代からの仕送り」とも言えます。
若い人が減って高齢者人口が増えると「仕送り」が減る、つまり、年金の「給付と負担」のバランスが崩れてしまうのです。

子供の出生率や経済成長率は絶えず変化します。
そのため、その変化に応じて年金の制度内容を見直すよう法律で定められています。
その変化によっては、今後も「在職老齢年金」は改定される可能性は大いにあるのです。

年金の有難さを分かち合えるように

3回にわたり、「在職老齢年金」の制度を詳しく解説させていただきました。
働き方の変化や高齢化により、今は「高齢者の労働意欲を下げる」との批判が多い「在職老齢年金」ですが、歳を重ねても働くことが当たり前の時代になれば、若い世代の負担を減らすことが期待できます。

年金についてお話しする時、いつも念頭にあるのは「公的年金制度の長期的な安定」です。
制度の安定は、現役時代の方も含め、私たちの老後生活の安定へとつながります。
「年金はもらえるようになって初めてその有難さがわかる」とよく言われます。
その有難さをともに分かち合えるよう、どのような制度へと変化していくのか?見極めていく必要があると思います。

- 次回予告 -

「年収の壁」を学ぶ①
~税金の壁と社会保険の壁~

次回、くらしすとEYEの年金を学ぶ【第31回】では、
"「年収の壁」を学ぶ① ~税金の壁と社会保険の壁~"
を更新予定でございます。
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