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広島東年金事務所(広島)

 広島東年金事務所は、広島市の中心地・中区に位置する年金事務所であり、広島県の代表事務所でもある。特徴は、手話による年金相談日があるなど、障害のあるお客様への対応に積極的であること。また、所長自ら職員研修を行ったり、月1回所長と職員が昼食をとるランチミーティングを開催するなど、人材育成やコミュニケーションづくりにも力を入れている。来年2月には市内3年金事務所の厚生年金適用調査課、厚生年金徴収課の機能がすべて広島東年金事務所に集約される予定で、また、来年4月の中国地域部東京移転後は同年金事務所が中国地域全体の取りまとめ役となるため、人材育成等の重要性もこれまで以上に高まっている。

3事務所の適用調査課、徴収課の機能を集約

 人材育成にも力を入れている。まず、新人職員に対しては山本所長が毎月、年金制度全般についての基本的な知識や、機構の全般的な仕事の内容等について説明する所長研修を実施。今年からは新人職員だけでなく他の職員、特に契約職員も含めて所長研修を行っている。

 「やはり専門的な仕事なので、年金制度に精通するプロの職員を育てなければと思っています。でも、東京の本部などに研修に行く機会は、正職員にはあっても契約職員には普通はありません。同じ職場でありながら職員の処遇が違うというのは、組織をまとめるうえでも苦労です。所長研修を始めてからは、『こういう研修をやってほしかった』という声を職員から聞きます」(山本所長)。

 所長研修は、お客様が比較的少ない朝8時半〜10時に実施している。業務が終わって夕方5時からの実施となると職員は疲れてしまうし、残業になるからである。

 研修で山本所長が最も大事にしているのが、制度の歴史。「年金制度の創設・改定には、その時代・時代の背景がある。なぜ遺族年金は女性に出るかなど戦争の時代の話から、最近の消費税増税の背景に至るまで説明します。もちろん、制度だけわかっていても間違いではないですが、その時代の政治状況や歴史などがわかっていれば、お客様に説明するときにも説得力があります」(山本所長)。

 所内のコミュニケーションや交流も図っている。所長室では月1回(第3水曜日)、所長と職員たちが一緒に昼食をとるコミュニケーションランチ(CL)を設けている。各課の職員が毎月交代でやってきて、7〜10人でランチを取る。

 「各自お弁当などを持ち寄って、食事をしながら談笑します。ミーティングではなく、あくまでコミュニケーションのためのランチなので、仕事の話はしません。それぞれの趣味や、休日にどこに出かけたとか、そういうことを話しています」(山本所長)。

 機構の再生プロジェクトに関しては、組織改革、人事改革、業務改革、情報セキュリティの関係の4本柱があるが、そのうちの組織改革として、広島東年金事務所は機能集約を行う。広島市内には広島東、広島西、広島南と全部で3か所の年金事務所があるが、効果的・効率的に業務を行うため、来年2月に3事務所の適用調査課と徴収課の機能と職員を広島東年金事務所に集約することになっている。今年度、機能集約をモデル的に先行実施する全国4カ所のうちの1つだ。現在、その準備を3事務所で一緒に行っているところである。

 また、来年4月からは中国地域部が本部高井戸に移転し、広島東年金事務所が中国地域全体をまとめる役割になる。「年金事務所という現場の仕事に、エリア全体をまとめるという管理部門の仕事が入ったら実際にはどうなるのかまだ見えていませんが、スムーズに組織移行ができるよう準備を進めていきたいと思っています。また、今年度の組織目標達成に向けても、職員一丸となって頑張ってまいります」(山本所長)。

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