︱2019.4.15 4月号 (通巻718号) Vol.73

退職後の生活設計「わからない」等が背景 ~第2回年金広報検討会
厚生労働省は2019年3月8日、「第2回年金広報検討会」を開催した(座長は上田憲一郎・帝京大学経済学部経営学科教授)。議事は、年金広報の一つである「年金ポータル(仮称)の具体的内容について」と、「年金広報コンテストの基本的方向について」など。
第2回年金広報検討会では、年金ポータル(仮称)の背景となっている年金に関する国民の意識を明確にした。
【背景1】退職後の生活設計「わからない」「不安」
内閣府の「老後の生活設計と公的年金に関する世論調査」によると、退職後の生活設計について考えたことがない理由は、「将来の話なので、老後のことはわからない」が35%、「老後の生活設計の立て方がわからない」が13%、「老後の生活を考えると不安になるから」が11%と、退職後の生活設計について考えたことがない人の約6割が「わからない」「不安」と回答している。
【背景2】退職後の生活設計は公的年金を中心にしつつ私的年金を組み合わせた構成に
内閣府の同調査では、退職後の生活設計について「全面的に公的年金に頼る」と回答した人が23%、「公的年金を中心とし、これに個人年金や貯蓄などを組み合わせる」と回答した人が55%で、合わせて約8割の人が老後の生活は公的年金が中心であると考えている。
【背景3】公的年金に対する若い人の関心が低い
内閣府の同調査によると、公的年金に関心を持ち始める年齢は、20未満4%、20~29歳16%、30~39歳17%、40~49歳19%、50~59歳19%、60歳以上11%と、関心がない12.4%と、若い人の関心が極めて低くなっている。
【背景4】「自分の年金は?」と自分事化しやすい
内閣府が同調査の中で「公的年金について関心がある事項」について聞いたところ、「自分が受け取れる年金はどのくらいか」が67%と最も高く、次いで「少子化、高齢化が進んでいく中で、将来の公的年金制度全体の姿はどのようなものになるのか」47.0%、「自分は年金をいつから受けとれるのか」39.2%、「自分の保険料負担はどうなっていくのか」26.0%などと、より自分の場合にあてはめて考えることが多くなっている。
上記のような背景のもと、年金ポータル(仮称)を「わたしの年金」と「みんなの年金」の2種類に分けて考えると、サイト構成案は表4のようになる。ライフイベントごとに知りたいことを明確にし、アドバイスを行えるような構成とする。
デザインにはハードルが高いと思われがちな「年金」に対して、親しみやすいキャラクターややさしい色調を用いてイメージを和らげ、文字数を減らすなど「見やすさ」「わかりやすさ」を演出するとともに適切な表現で要点をわかりやすく伝える。
表4 年金ポータル(仮称)のサイト構成案


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