︱2015.8.15 8月号 (通巻674号) Vol.29

一元化施行目前! 年金事務所などにおけるワンストップサービスはどうなるのか?
10月1日の一元化の施行日まで、あと1か月あまりとなりました。
全国の年金事務所をはじめ、各共済組合、私学事業団においても、準備作業に余念がないと聞いています。
一元化に関係するパブリックコメントの意見募集も、厚生労働省は8月15日に、財務省(国家公務員共済組合法施行令等)も8月15日に、総務省(地方公務員等共済組合法施行令等)は8月20日が受付締切日となっています。
また、一元化に絡んで、「障がい年金の初診日の確認」(初診日を合理的に推定できるような参考資料が提出された場合に、できるだけ本人の申立てによる初診日が認められるようにする改正) についてのパブリックコメントも実施されています(厚生労働省:受付締切日9月9日)。
これらがすべて調整されあわさって、政省令が改正されるものと認識しています。一元化はやはり目が離せません。
今月は、一元化後のワンストップサービスの概要についての情報を提供します。
なお、最終ページには【新様式の年金請求書】(表紙部分)を掲載しました。実務の参考にしてください。
「加入期間確認通知書」は、原則不要に!
〜添付書類の戸籍や住民票は受給権発生日以後に交付されたものに統一〜
年金事務所に提出された共済組合の期間のものは、画像化して共済組合に「回付」
厚生年金に3年、共済組合(市役所)に17年、国民年金に20年加入していた人の場合、従来だと、年金事務所と共済組合に、それぞれ年金請求書を提出しなければなりませんでした。
しかも、年金事務所に国民年金・厚生年金の請求手続きを行う場合、共済組合の発行する「加入期間確認通知書」を添付しなければなりません。そのため、事前に、共済組合に書類を提出し、共済組合の「加入期間確認通知書」を交付してもらっていました。
面倒なことに、共済組合に提出する退職共済年金の決定請求書には、日本年金機構が発行する厚生年金と国民年金の「加入期間確認通知書」を添付しなければならなかったのです。
一元化で、この煩雑な手続きが変わります。
ワンストップサービスの実施により、年金事務所に提出しても、各共済組合に提出しても、どこかに一か所提出すればいいということになります。受付後、画像化のうえ、所管の実施機関に回付します。
「加入期間確認通知書」は、事実上、廃止に!
しかも、年金記録に関するデータの一部が、すべての実施機関の間で共有されることになることから、それぞれに添付していた「加入期間確認通知書」は、原則として、不要になります。つまり、添付書類としては、事実上、廃止されたものと同じ取扱いとなります。
他年金の受給を確認するための「年金証書の写し」の添付についても、原則、不要になります。
なお、複数の実施機関に加入していた人で、ワンストップサービスの対象とならない、平成27年9月30日以前に受給権の発生した人が、一元化後に年金請求をする場合の「加入期間確認通知書」については、システムによって、例えば、年金事務所で、共済年金の組合員期間が確認できる場合には、「加入期間確認通知書」を不要とする事務取扱にする予定とのことです。
このように、現在、各実施機関では協議中の事務取扱いが、まだまだたくさんあります。事務取扱の実際については、一元化後に正式に決まったとおりに、現場の年金事務所、各実施機関の指示に従ってください。
戸籍や住民票は、年金の受給権の発生後に交付されたものに統一!
これまで、一部の実施機関においては、添付書類の戸籍謄本(抄本)や住民票について、年金受給権の発生する前に交付されたものでも、受付けてきていました。しかしながら、一元化後は、年金事務所で対応していたように、受給権の発生した日以後に交付されたものだけが、受付の対象となります。
また、年金請求書の受付も、受給権が発生した日以後でなければ、受付できなくなります。
ワンストップサービスがスタートする関係で、いままで受給権発生日前の戸籍や住民票でも受け付けていた実施機関の加入者が、年金事務所で相談に見えたときには、年金事務所の窓口ではトラブルにならないよう、丁寧な対応をお願いしたいと思います(相談者の言い分にも、いままでは、受け付けてもらっていたはず、とそれなりにもっともな点がありますので)。

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