公的年金には、老齢・障害・遺族の3種類の給付があります。それぞれ、「老後」「障害をもったとき」「家計の支え手が亡くなったとき」という支給事由に該当したときに受けられるようになりますが、同時に2つ以上の支給事由に該当する場合があります。今回は、2つ以上の年金を受けられるようになったときの受給ルールについて解説します。

12つ以上の年金を受けられる特例がある

1人1年金が原則

 2つ以上の年金が受けられるようになった場合には、いずれか1つの年金を選択することが原則です。
 しかし、日本の年金制度は、1階が国民年金、2階が厚生年金の「2階建て」になっており、たとえば老齢給付の場合、老齢基礎年金と老齢厚生年金という2つの年金を同時に受けることが できます。同じ事由で支給される基礎年金と厚生年金は1つの年金とみなされるからです。

【図表1】基礎年金と上乗せされる厚生年金は1つの年金とみなされる

【図表1】基礎年金と上乗せされる厚生年金は1つの年金とみなされる

支給事由が異なる年金はいずれか1つを選択する

 支給事由が異なる2つ以上の年金を受けられるようになったときには、どちらか1つの年金を本人が選択することになります。
 まず、基礎年金間で見てみましょう。

【老齢給付と障害給付】老齢基礎年金と障害基礎年金のどちらかを選択する

【老齢給付と遺族給付】老齢基礎年金と遺族基礎年金のどちらかを選択する

【障害給付と遺族給付】障害基礎年金と遺族基礎年金のどちらかを選択する

 障害給付と障害給付、遺族給付と遺族給付の場合では、次のようなケースがあります。

【障害給付と障害給付】障害基礎年金(2級)+障害基礎年金(2級)は併合認定により障害基礎年金(1級)を受けられるようになったケース

2級の障害基礎年金を受けている人が、別の傷病で新たに2級の障害基礎年金を受けられるようになり、2つの障害をあわせた障害の程度により1級の障害年金を受けられるようになったケースです。

【遺族給付と遺族給付】父の脂肪による遺族基礎年金か母の死亡による遺族基礎年金を選択する

父の死亡による遺族基礎年金を受けている子で、老齢基礎年金を受給している母が死亡したことで新たに遺族基礎年金を受けられるようになったケースです。

 以上を表にすると、図表2になります。

【図表2】基礎年金間の調整

【図表2】基礎年金間の調整 この調整のあり方は、基本的に厚生年金間でも同様

 この調整のあり方は、基本的に厚生年金間でも同様です。

【図表3】厚生年金間の調整

【図表3】厚生年金間の調整 65歳以上であれば、老齢厚生年金と遺族厚生年金を併せて受けることができる場合がある

※65歳以上であれば、老齢厚生年金と遺族厚生年金を併せて受けることができる場合があります。
(次頁 ②老齢厚生年金と遺族厚生年金が併給されるケース 詳細)

2つ以上の年金を受けられる特例とは?

 図表2と図表3で、基礎年金間および厚生年金間の調整を整理しましたが、基礎年金と厚生年金の間の調整の関係は図表4のようになります。

【図表4】公的年金の併給調整

【図表4】公的年金の併給調整 「65歳以上であれば」という条件のもと、支給事由が異なる年金でも併給される特例がある

 「老齢基礎年金と老齢厚生年金」「障害基礎年金と障害厚生年金」「遺族基礎年金と遺族厚生年金」は、それぞれ1つの年金とみなされて併給されることは、図表1で見たとおりです。
 そのほかは、「1人1年金」が原則となりますが、図表4のとおり、「65歳以上であれば」という条件のもと、支給事由が異なる年金でも併給される特例があります。

【障害基礎年金と老齢厚生年金】「65歳以上であれば」という条件のもと、支給事由が異なる年金でも併給される特例がある

【老齢基礎年金と遺族厚生年金】「65歳以上であれば」という条件のもと、支給事由が異なる年金でも併給される特例がある

【障害基礎年金と遺族厚生年金】「65歳以上であれば」という条件のもと、支給事由が異なる年金でも併給される特例がある

point

1.公的年金は「1人1年金」が原則であり、2つ以上の年金が受けられるようになった場合には、いずれか1つの年金を本人が選択する

2.同じ事由で支給される基礎年金と厚生年金は1つの年金とみなされる

3.支給事由が異なる年金でも、65歳以上であれば併給される場合がある

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