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掲載:2022年12月15日

年金を学ぶ【第9回】
『障害年金』を学ぶ①
~どのような方が受け取れるのか~

障害を負うということ

障害を負うとはどういうことでしょうか。
生活の中において、様々な場面で不便を強いられることもあるでしょう。
時には差別や虐待を受けたり、逆に過剰な同情を生んでしまったりと、ひょっとしたらネガティブなものかもしれません。そのため、障害者に認定されることや、障害年金を受け取ることをためらう方もいらっしゃいます。

しかし、障害を個性として受け入れ、障害者の不便なところをサポートできる社会とは、健常者の個性もまた受け入れられる社会でもあるはずです。つまり、健常者から見ても障害者へのサポートは巡り巡って自身のためにもなります。

誰しも障害は起こり得ます。
だからこそ、健常者も障害者も共生できる社会を作るために、障害年金は躊躇せずに受け取っていただきたいと考えます。

このコラムでは、今後、4回に分けて、障害年金の基礎について解説をさせていただきます。今回は障害年金を受給できる対象、つまり「誰が受け取れるのか」ということです。

障害年金を受給する基本的な要件は3つ

障害年金を受け取るためには、大きく3つの基準をクリアしている必要があります。

  • 初診日時点で国民年金、または厚生年金の加入期間内かどうか
  • 障害認定日時点で、障害等級1級または2級(障害厚生年金のみ3級)に達しているか
  • 保険料を納付しているか

初診日とは?初診日が見つからない場合は?

初診日とは、障害の原因となる怪我や病気のために初めて診察を受けた日です。
一般的に、それは当時の診断書で判断されます。

障害年金は初診日主義と言われ、この初診日時点で保険の対象であったかどうかが問われます。初診日時点で国民年金に加入していれば障害基礎年金を受け取ることができ、厚生年金加入であれば、障害厚生年金が上乗せされます。

ただし、障害基礎年金については、初診日が20歳前、または日本国内居住の60歳~65歳で年金制度に加入していない期間に初診日があった場合でも、請求ができます。
もっとも、後述の障害認定日時点で老齢基礎年金の繰上げ受給をしていると、障害基礎年金の受給はできません。

また、65歳以上で老齢基礎年金と障害基礎年金と両方に受給権がある場合、どちらかの選択となり、両方の年金を受け取ることはできません。
障害厚生年金については、原則は障害基礎年金と一緒に請求します。特例的に、障害年金以外の年金(老齢および遺族の年金)も受給できる要件を満たしていた場合に、その受給方法を選択できることがあります。

初診日とは?初診日が見つからない場合は?

ここで実務的に問題になるのは、この初診日が証明できない、ということです。
相当昔の病気が原因で、今になって障害状況になるという場合、その昔の診断書などが無いと初診日を証明できず、当時の病院もカルテを失っている、または閉院しているというケースは珍しくありません。

この場合でもあきらめることはありません。
お薬手帳や診察券、第三者証明(3親等以外の友人など2人以上の方に証明してもらう方法)といったその障害に関する書類を添付して申立書を作成することで、受給が可能になることがあります。
年金事務所やお近くの社会保険労務士にご相談ください。
もしも、「年金事務所や社会保険労務士では気後れしてしまう。」と感じてしまう方がいらっしゃれば、お住まいの市役所等にある国民年金窓口をお尋ねください。
市役所等には福祉相談員の方が常駐している場合があります。
窓口の担当者へ臆せず気軽に声をかけてみてください。

障害認定日とは? 等級はどうやって決まる?

障害認定日とは、障害の状態を定める日を指します。原則は初診日から1年6ヶ月を過ぎた日です。あるいは、1年6ヶ月以内でも病気やケガの症状が固定した日になります。
一般的には、障害認定日から3ヶ月以内の診断書を添付することで、障害認定日時点の等級が決まります。これを障害認定日請求と言います。

もっとも、障害には、障害認定日時点ではそこまで重症ではなかったが、その後重症化するケースもあります。この場合は、重症化した時点での診断書を提出します。これを事後重症請求と言います。

障害認定日とは? 等級はどうやって決まる?

では、障害年金の認定については、どのような基準が設けられているのでしょうか。
基準としては、障害基礎年金は障害等級1級から2級、障害厚生年金は障害等級1級から3級に該当した方が対象です。
また、認定される障害は身体の機能障害や病状だけではありません。近年は精神の障害についても認定されるケースがあります。
ストレスの多い現代社会、「心の病気」をかかえる方も増えています。
精神の障害は多様ですが、原因、症状、治療、経過、日常生活の状況などから総合的に障害等級に認定される場合があります。

※詳しい認定基準につきましては、下記のページをご参照ください。

【年金の給付:障害になったとき】
障害年金の認定にはどのような基準が設けられていますか?


なお、いわゆる障害者手帳の等級とは一致しません。
一方で障害者手帳を持っていれば、その等級を決める目安の一つとなりますので、これから障害年金申請を行う方は、障害者手帳についても取得を検討されると良いでしょう。障害者手帳を取得することで、手当や割引等を受けることもできます。

保険料納付も大事な要件

障害年金も『保険』ですので、保険料を払っていなければ原則は受け取れません。ただし、満額払っていないといけない、というものでもありません。

具体的には、

  • ① 保険料を初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、2/3以上の保険料納付済期間(または免除申請期間)がある
  • ② 令和8年4月1日前の初診日で、かつ初診日時点で65歳未満であれば、直近の1年間に保険料の未納が無い。
どちらかにあたれば、対象となります。

なお、20歳前に初診日がある場合は、そもそも保険料納付期間が無いため、上記要件は不要です。

保険料を遡って納付するには限界がありますので、いざ障害者になった時に上記要件に満たなければ、障害年金を受け取れないことになります。障害年金の受給の有無は、生涯に亘る人生設計に大きな影響を及ぼしますので、未納の方はすぐに保険料を納付するか、免除手続きを取ることを強くお勧めします。

障害を武器にする

ある障害者の方のブログで綴られていた言葉です。
障害を自身の個性として捉え、むしろ武器として利用するくらいの気持ちが、前向きな人生を歩むための心構えではないかと思います。

障害を負ったときに障害年金を受け取るのは当然の権利です。前向きな人生のために受給をしていただきたいです。また、今、障害を負っていない方でも、いざと言う時も前向きに生きるために、保険料の納付をしましょう。

次回は障害年金で受給できる金額について解説をします。

執筆者プロフィール

年金を学ぶ【第6回】『繰下げ受給の年齢上限引上げ』を学ぶ 執筆者:特定社会保険労務士 村田 淳(むらた あつし)

特定社会保険労務士 
村田 淳(むらた あつし)
ソフトウェア会社のコンサルタントを経て平成29年に開業。産業カウンセラーの資格を持ち、主に10人未満の企業を中心に、50社以上の顧問企業から、毎日のように労務相談を受けている。「縁を大事にする」がモットー。

年金を学ぶ【第6回】『繰下げ受給の年齢上限引上げ』を学ぶ 執筆者:特定社会保険労務士 林 良江(はやし よしえ)

特定社会保険労務士 
林 良江(はやし よしえ)
板橋区役所年金業務に10年以上携わり、現在も同区資産調査専門員として勤務しながら、令和4年より障害年金を中心に事務所を開業。「ひまわりの花言葉;憧れ・崇拝・情熱」が自分のエネルギー源。

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『障害年金』を学ぶ②
~障害年金の受給額について~

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"『障害年金』を学ぶ② ~障害年金の受給額について~ "
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