ご質問に関するご回答【ご質問】学生納付特例制度を利用した場合、保険料の追納額はどれくらいの金額になりますか?
学生納付特例制度を利用しても、猶予を受けた分の保険料を追納しなければ年金額は減ってしまいます。追納は10年以内に行うことが必要です。追納額は当時の保険料の額ですが、3年度目以降に保険料を追納する場合には、承認を受けた当時の保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされます。
追納額
(2023(令和5)年度追納分)
免除を受けた月 |
追納額(1ヵ月) |
当時の保険料(1ヵ月) |
加算額 |
---|---|---|---|
平成25年度の月分 | 15,220円 | 15,040円 | 180円 |
平成26年度の月分 | 15,370円 | 15,250円 | 120円 |
平成27年度の月分 | 15,700円 | 15,590円 | 110円 |
平成28年度の月分 | 16,360円 | 16,260円 | 100円 |
平成29年度の月分 | 16,570円 | 16,490円 | 80円 |
平成30年度の月分 | 16,410円 | 16,340円 | 70円 |
令和元年度の月分 | 16,460円 | 16,410円 | 50円 |
令和2年度の月分 | 16,570円 | 16,540円 | 30円 |
令和3年度の月分 | 16,610円 | 16,610円 | 0円 |
令和4年度の月分 | 16,590円 | 16,590円 | 0円 |
保険料の追納は過去10年分までできますが、経年数が多くなれば、それだけ加算額が大きくなります(10年前の分で約2%)。若いうちは、現在の保険料に加えて追納することは負担が大きいですが、時間が経てばその分納付額が多くなりますので早めに納めておいたほうが結果的には負担が少なくなります。追納せずにそのままにしておくと年金額を増やすことはできません。
追納による保険料支出と年金額増加分の比較(老齢基礎年金)
〈例〉2023(令和5)年度に2022(令和4)年度分以前の分を追納した場合
学生納付特例制度を |
追納する保険料総額 |
生涯の年金額の増額分 |
差額 |
---|---|---|---|
1年 | 199,080円 | 397,500円 | 198,420円 |
2年 | 398,400円 | 795,000円 | 396,600円 |
3年 | 597,240円 | 1,192,500円 | 595,260円 |
4年 | 794,760円 | 1,590,000円 | 795,240円 |
5年 | 991,680円 | 1,987,500円 | 995,820円 |
6年 | 1,190,520円 | 2,385,000円 | 1,194,480円 |
税金の優遇措置
追納した国民年金保険料は社会保険料控除として扱われますので、所得税・住民税が軽減されます。
〈例〉Aさんの場合
2022・2021(令和4・令和3)年度(2年間)、学生納付特例制度を利用している。
追納を行わない場合の2023(令和5)年の課税所得金額は200万円。
【追納を行わない場合のAさんの所得税と住民税】
○所得税(5%)100,000円、復興特別所得税(所得税×2.1%)=2,100円
○住民税(10%と仮定)200,000円
⇒所得税と住民税の合計額 302,100円
【追納を行った場合のAさんの所得税と住民税】
○追納額(2年分) 2022年度分:199,080円 2021年度分:199,320円
計397,728円
○課税所得金額 2,000,000−398,400円=1,601,600円
○所得税(5%)80,000円 復興特別所得税(所得税×2.1%)=1,680円
○住民税(10%と仮定)160,160円
⇒所得税と住民税の合計額 241,840円
※住民税・所得税ともに課税所得の千円未満を切り捨てて計算。
追納を行わなかった場合と追納を行った場合の所得税・住民税合計額の差額=60,260円
(実質的には追納分が338,140円で済んだことになります。)
日本年金機構からその年(12月31日まで)の「控除証明書」が郵送されます(11〜2月)。
申告のときに必ず添付してください。